よどみの置き場

怪談……とは限らないこわい話の置き場です。

【人間の……】解せぬ行動の顛末

当方の母から聞いた話である

 

母が勤めている頃、母の学生時代の知り合いが亡くなった
葬儀に行った知人を介して聞いたところによると、川べりの土手を歩いて転落し溺死したのだという
事実、警察で調べてもらったところ、その川の土手に人が足を滑らせて転落した痕跡が見つかったという

だが、その話を聞いた誰もが首を傾げたという。母もその一人である
なぜならその地域は、その前数日雨が振り続いていたからである
しかも同行している人はいなかったのだという

その地域は河川が大小問わず多い地域である
これらの河川は上流で雨が降ると、普段の静かな流れと打って変わって、灰色に濁った暴れ川となる
上流に降った雨が、中流域である某市に流れてくるのは1~2日後、
その間川へ近づかないのは、川沿いに住んでいなくとも某市の人間であれば分かりきったことだ・・・・

その後母が人づてに聞いた話は、ますます周りの人間を混乱させるばかりだった
母が知っている知り合いは「病弱であったせいか、学校を休みがちで目立たなくおとなしい人」だったという
しかし、その後も交流があった人たちは「学校をでてから、積極的で活動的になった」という
「積極的で活動的」なひとであるなら、なぜ、危険だとわかっている川に1人でいったのだろう?
数日も雨が降ったら、河川敷も川の一部となっていていただろうに・・・・

当方には、これ以上のことは探りようがないし、突き詰めたからといってどうにもできないと思っている
ただ、当方の母は、「知り合いは意図的に川に行き、足を滑らせた」と疑わずにいる