よどみの置き場

怪談……とは限らないこわい話の置き場です。

【こわい話?】「会館」で起こったこと

小学校5年生の時に起こった話である。
こわい話とは違うが、あまり遭遇したくない経験ではあった。

 

地元にM公園という大きな公園がある。
その中にある公共施設、通称「会館」は地元では大変有名な心霊スポットとされていた。
この地域の小学校5年生は、この「会館」で1泊2日の宿泊研修を行うのが恒例である。
当方も例外なく小学校5年生のとき宿泊研修に参加した。

上級生なり、友人のお姉さんなり、「出る」という話は聞かされていた。
他校の友達のクラスに至っては、先生自らが幽霊談をせっせと語っていたという。
もっとも、宿泊研修で初めて親元を離れる子が多かったので、クラス全体がソワソワするのは無理もなかったが。 

 

さて当日。当方は隣のクラスと同時に泊まった。*1
その日のレクリエーションは互いのクラスで空間をうまく分け合い、無事平穏に就寝時間となった。

……まあ、同級生がごっちゃりいる空間となると、意識していなくとも興奮しているためすぐには寝付かれないわけで。
そわそわと声が聞こえてきた最中、それは起こった。

地震だ。

震度自体は1か2程度なのだが、M公園自体がもともと湿地のためか意外と揺れる。
念のため起きているものは部屋の外へ出て担任の指示を仰ぐこととした。

担任がやって来た。
「お前らだけだぞ。こんな小さい(地震)くらいで起きているのは」
事実、隣のクラスの女子は出ていなかった。男子は両クラスとも出ていなかった。
晩酌を邪魔された担任はむっとして戻っていった。

小さいとはいえ地震地震
幽霊よりもよっぽど厄介なのに出くわしたのには違いない。

個人的には、あの時、部屋を出た行動は間違いとは思っていない。
M公園一帯で停電・壁の破損・地面の亀裂が発生した、大きめの地震が起こるのは、その何年か後の話である。

 

M公園がらみの話はこちらの記事もご参考に。

kogetya.hatenablog.com

 

*1:「会館」にある大部屋は2段ベッド×16台が4部屋(だったはず)。
一度に宿泊できるのは45人学級×2クラス分が限界。